初心者メタル論(3) ヘヴィメタルの分類

1.はじめに

 メタルがだいたいどんな位置付けになっているのか、メタルの中には一体どんな種類があるのか、というのを簡単に説明しよう。詳しいことは各ジャンルページで述べるとして、まずは↓の相関図を見てほしい。

メタルの分類

 ロックやバラードなど、多くの人が理解できると思われる音楽と、メタルの代表的なジャンルとの関係を、簡単な相関図で表してみた。見ての通り一言にメタルといっても様々な種類があり、またメタルという音楽が、バラードやクラシックなど様々な音楽の要素を含んでいることがわかる。

 以下で各ジャンルの特徴を簡単に説明していくが、この分類はあくまで便宜上の分類に過ぎない。実際はさまざまなジャンルにまたがっていることが殆どで、また人によってもどこに分類するかは様々だからだ。ゆえにあまり過信しないようにお願いしたい。

2.ヘヴィメタル

 初期にそう呼ばれたバンドをヘヴィメタルバンドと呼ぶほかに、以下の各"~メタル"の総称的な意味を持つ。その名の通り重い金属音をイメージ出来る音楽であれば、ヘヴィメタルに分類してよいと思われる。 俗に言う「メタラー(メタルマニア)」はその"~メタル"と名の付くジャンルの中のいくつかを併愛している為、あえて「ヘヴィメタル」ではなく「メタル」と呼ぶことがあるが、一般的にはそれらは全て「ヘヴィメタル」に(一応)分類される。「HM」と略されることがしばしばある(HRはハードロック)。

3.パワー・メタル

 力強さや重さなどが強調されているものをパワーメタルと呼ぶ。具体的には、ドコドコと響きまくるバスドラムやどっしり唸るギターサウンド、男らしい力強いヴォーカルなどの特徴があげられる。「漢メタル」と呼ばれることも。

4.スピード・メタル

 その名の通りスピード(疾走感)を重視したもの。しかしその殆どが当然にメロディを伴って演奏されるものであり、一般的にメロディックスピードメタルと呼ばれることが多い。スピードメタルと短く呼ばれるものは、あまりメロディ性が感じられなかったり、スラッシュメタルやパンクなどと大差のないものであることが多い。

5.シンフォニック・ヘヴィ・メタル

 メロディや雰囲気というものを追求したジャンル。キーボードやシンセサイザーを起用している場合が多く、稀に本物のオーケストラを起用していることもある。

 幻想的な雰囲気、大仰な構成などが主たる特徴で、全体的な完成度や整合性がより厳しく要求されるジャンルのうちのひとつ。

6.ネオ・クラシカル・メタル

 ネオでクラシックなメタル。単純に言ってしまうと、クラシカルなフレーズが多用されているジャンルで、大袈裟にいうと、超絶と冠される速弾きが多用されるジャンル。代名詞はイングヴェイ・マルムスティーン(速弾きの普及者、王者)。

7.プログレッシヴ・メタル

 そのまま訳すと累進・漸進(少しずつ進む)という意味だが、音楽的には簡単に言ってしまえば「前衛的ですごく複雑な」メタルという意味になる。とにかく複雑な展開が特徴的。また、異常にテクニカルなプレイが期待できるジャンルでもある。

8.スラッシュ・メタル

 ヘヴィメタルの中でもメロディ性がやや薄く、パンクよりも激しく、しかしパワーメタルよりは軽いものをいう。ちなみに「Thrash」とは「ムチ打つような」という意味だが、なるほど…と思えるような説明にはなっていないと思う。

9.デス・メタル

  メロディ性が全くと言っていいほど、ない。「音楽」と呼ぶのにも抵抗があるかもしれない。そんなジャンル。攻撃的なギターサウンドと超絶ドラムリズム、咆哮とも呼べるような叫び声(デス声と呼ばれる)。やたらに激しく重苦しいジャンルで、メタル初心者には不向きであると言われる(上級者ですら合わない人は合わない)。

10.ブラック・メタル

 デスメタルと似たような音楽的方向性を持つジャンル。悪魔崇拝&アンチキリスト的デスメタルとも呼ぶべきその精神的方向性が、デスメタルとの大きな違い。歌詞(死,性,悪魔)や格好(白塗り)など、ある意味、デスメタルより"強烈"だ。

11.デスラッシュ・メタル

 その名の如く、"デス"+"スラッシュ"。スラッシュメタルとデスメタルの中間に位置する(両者の特徴をつかんだ)ジャンルといる。デスメタル寄りのパワーメタルともいえるか。

12.メロディック・デス・メタル

 デスメタルに、メロディを再導入して出来たジャンル。「メロデス」と呼ばれるバンドは多いが、その範囲はあまりに広く、へヴィメタルに限りなく近いものから、デスメタルと差のないものまで様々。

13.シンフォニック・デス・メタル

 メロデスに、さらにシンフォニックの要素を加えたもの。シンフォニックメタルを暗く重苦しくしたもの(もちろんデス声)。メロデスに比べると仰々しさが格段にあがっており、その仰々しさも人に恐怖感を与えるようなカタチをとっていることが多い。


 以上、色々分類してみたが、最初に述べたとおりこれらはあくまでも曲やバンドを語るうえでの単なる基準くらいにしかならない。とりあえず「メタルにも色々な種類があるんだなぁ」程度に思ってもらえればいいかな。

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